長崎にまつわる伝説・言い伝えをご紹介!
歴史ある土地には、伝説や言い伝えも多いですね。
そんな長崎に昔から伝わる伝説、言い伝えをご紹介!
地獄の釜
長崎では昔から「お盆になると地獄の釜が開くから海に入るな」という言い伝えがあります。
「地獄の釜」がひらいて死者が這い出し、泳いでいる者を海にひきずりこむと言われています。
実際、長崎の海はお盆の時期になると潮の流れが変わりやすい、天候が変わりやすい、水草が増え足に絡まりやすい・・・など
事故の原因になることが昔から多いと聞いたことがあります。
先人が未来の私たちに伝え残してくれた忠告ですね。
龍王の滝
昔々、長く続く日照りを何とかしようと、村人たちがこの滝で雨乞いを始めたそうです。
来る日も来る日も村人たちは雨乞いを続けたところ、ある日突然、滝壺から大きな龍が姿を現し、たちまち大雨が振りだしたと言われています。
龍王の滝の傍には穴が開いており、今でも龍が住んでいるという言い伝えがあります。
飴買いの霊
昔々、長崎のとある飴屋に、深夜になるとどこからともなく飴を買いにくる女がいたそうです。
その女は静かに飴屋の戸を叩き、細い声で「飴を売ってくれませんか」と一文を差し出しては、
飴を買って帰ってゆくのでした。
ある日、不思議に思った飴屋の主人は、ゆっくりとその女の後をつけていったところ、お寺の奥へ消えていったそうです。
そこには墓地があり、近づいてみると元気な赤ん坊の泣き声。
赤ん坊が母親の遺骸の側で飴をしゃぶりながら泣いたそうです。
お腹に命を身籠ったまま亡くなったのでしょうか。
女は死んで幽霊になっても赤ん坊を育てようとしたようです。
阿池姫
平安時代のこと。
高満という領主がおり、阿池姫という娘がいました。阿池姫は、ある山にある美しい楠に惚れ込み、まるで恋をしたような状態でした。
ある日、高満はその美しい楠で新しい船を作ったそうです。その船を海まで運ぶことになりましたが、とても重く、人々の力で動かすことができませんでした。
高満は困り果て、占い師に相談したところ「阿池姫を船に乗せなさい」というお告げがあったそうです。
すると、船は勝手に動き始めましたが、海までもう少しのところで嵐にあい、大地が割れ、大きな池が出来ました。
阿池姫は船と一緒にその大きな池の中へ消えていったそうです。
その後、祈祷を行うと五つの角を持つ龍が表れ、娘の姿に変身してこう言いました。
「これからは私がこの池の守り神になります」
それから村人は池の近くに祠を作り、その祠を「池の御前様」と称していつもお参りに来るようになったそうです。
河童封じ
佐世保市にある蛭子川という小さな川は昔から河童の悪戯が絶えず、村人は困り果てていました。
村人たちが悩みぬいた末、「野川墓地の石碑は亡霊封じに効果があるから、カッパ封じにもいいだろう」と、お祓いしたあと移したのでした。
その期待どおり、以後カッパの害はピタリと止んだそうです。
蛭子川は今はすでにドブ川になっており、カッパの出る幕もありませんが、碑の前は今でも花や供え物が絶えないそうです。